遠すぎる貴女に吐息を贈ろう
愛しさと憂いを乗せた想いを
寂しげな貴女に抱擁を贈ろう
優しく暖かく包み込む両腕を
強がりな貴女に涙を贈ろう
安心と喜びを溶かした光を
優しい貴女に笑顔を贈ろう
感謝で満ち溢れた太陽を
お酒の好きな貴女に葡萄酒を贈ろう
僕と同級生の艶やかな赤い葡萄酒を
全ての贈り物を活字に変えて
手紙は彼女の元へと駆けてゆく
「ワインくらいなら受け取ってあげるわ」と
彼女の返事は予想通り素っ気無い
けれど遠慮がちに隅に書かれた
「一緒に飲んでね」という一言に
寂しげで強がりで優しい彼女がよく見えた
ああ、遠いなぁ
なんちゅう恥かしい詩だ。
今更だと思うけれど。
陸でした。
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