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面倒>憎悪
相手が憎ければ憎いほど
殺すだけでは物足りない。
謝罪の言葉や反省などでは納得できぬ。
この世に生まれたことを後悔させてやらねば。
拷問なんて物は
スパイの間での技術かと思いがちだが
個人の憎しみを晴らすために痛みを与え続けるには
成る程有効だなと、ある日気付いた。
薬で眠らせ
服を脱がせ
椅子に縛り付ける。
彼が目を覚ましたなら、フリークショーの始まりだ。
ぶちっ。
苦悶。
ぶちっ。
苦悶。
爪をペンチで挟み
力いっぱい引き抜く。
簡単かと思ったら
意外と握力が要るもので
右手が終わるころには手が痛くなってしまった。
ばちん。
絶叫。
ばちん。
絶叫。
庭木鋏で足の指を切り落とす。
なかなか順調だったのだが
左足が終わる頃に鋏が壊れてしまい
代用の鉈が見つからないから
中途半端で終わってしまった。
しゅっ。
咆哮。
しゅっ。
咆哮。
肩から手首まで
鉋(かんな)で一気に引き下ろす。
綺麗に皮がむけるかと思ったが
2,3回で鉋は血と脂に塗れて使えなくなり
右腕だけで終わってしまった。
ずるずる。
発狂。
ずるずる。
発狂。
下腹を開いて
腸をゆっくり引きずり出す。
簡単に出てくるかと思ったが
血と脂で滑るせいで
思ったよりも力が要るため
3mほど出したら疲れてしまった。
「意外に疲れるものだなこれは」
生来めんどくさがりだった私は
なんだかどうでもよくなってしまった。
こんなクズのために貴重な労力を払っていること自体
馬鹿馬鹿しく思えてくる。
最後にとどめを刺す為にドリルを買ってきておいたのだが
それを回す気力もない。
臭いも、赤色ももう飽きた。
「いやはやすまない。飽きてしまったよ」
「このままにしておくから、勝手に死んでくれたまえ」
目を血走らせる彼に、もう興味はない。
必死に暴れるその姿を背に地下室のドアを閉めた。
しかし馬鹿なことをしてしまったものだ。
後始末にも労力が必要になる。
穴を掘るのも面倒だし、火をつけるわけにもいかないし。
「――畑の肥料にすればいいか」
肥料代が浮いたなと思ったが、労力を金銭に換算すると明らかに赤字だろう。
階段を登りきり、嘆息する。
憎んでいた理由は、既に失念していた。
主役がなんとも私に似ています。
自分を投影したと言っても過言じゃない。
まぁ私の場合は面倒だから最初から実行しませんが。
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by hisaya_rikudo
| 2006-12-23 20:13
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御国を守ります。
桜並木を切り飛ばす。
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